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専業トレーダー DaTsU

我一部の了見

先週は「自分の投資スタイルを見つけましょう」と言う話をしましたが、自
分の考えに固執するばかりで相場の流れなどを考えないと投資もうまくいかな
いのです。自分の都合や思惑の通りに動いてくれるものはなく、「天然・自然
の理」で動くものなので、自分の都合ではなく相場の流れを見極めることが大
切なのです。


 上方相場引き合わせ、乗せ米多少の考えを以って売買致す時は、相場にさか
らい、過ちこれあるなり。米は天性自然の道理にて高下するもの故、算用に及
ばざるなり。極意は天井底の次第を心得、毎日の相場に気を付べきこと肝要な
り。

 「上方の相場などを勘案して割安だとか割高だとか考え、自分の持ち玉が利
益になるとかならないとかばかりを考えて売買するときは、相場の動きに逆ら
い、間違えることになります。相場は自然に上がったり下がったりするものな
ので、人の都合で計算してもしょうがないのです。天井や底をつけるときの状
況を見逃さないようにしっかりと毎日の相場に気を付けておくことが大切なの
です。」

 あといくら上がるとちょうど10万円の儲けになるからと指値をしたり、損益
分岐点だからと一文(いちもん=一値)上で指値をして売りそびれてしまった
りすることはよくあります。欲張りだから、ということもあるのでしょうが相
場の勢いのいいときに上値で指値をしても売れる可能性は高いのですが、相場
つきも考えずに自分の都合だけで指値を決めても売りそびれたり、売った後に
大きく上がったりとなかなかうまく行かないのです。天井をつける、あるいは
つけた、ことで「売り」と見極めたならしっかりと売れるところで売るのが正
解なのです。天井で売ったり底で買ったりすることはほとんど不可能に近く、
「底値圏で買う」「天井圏で売る」といったように目先の小さな値幅は気にし
ないようにするべきでしょう。


 底値段を見極め買い出す時は、その間の高下に迷うことなく、立羽を極め、
百俵上げまで片買いと心得べし。

 「底値を確認してから買いに出たときは途中の上げ下げに惑わされずに、自
分の方針をきっちりと決め、100俵上げるくらいまでは買い一貫のスタンスで
行くべきです。」

 しっかりと底を見極めて方針を立て、目標値段を決めたのであれば、その決
定を覆すような前提の変化や見込み違いなどがない限り、目先の上げ下げは気
にせずに買い一辺倒で対処していくべきなのです。


 わが一分の了見にて商いすべからず。年中、三位の伝に引き合わせ、上がる
が下がるかをとくと考え、前広より、段々見合わせ、仕掛け置くべし。買い方、
八分の利なり。売り方、二分の利なり。

 「自分ひとりだけの考えで商いをしてはいけません。いつも『三位の伝』を
考慮して、上がるが下がるかをよく考え、その相場の前からの動きを良く見て
仕掛けるべきなのです。買い方と売り方を比べたときは買い方が8割、売り方
が2割利があるようです。」

 自分ひとりよがりの考えで売買すると「こんなはずではない」「相場が間違
っている」などということになってしまいます。相場は常に正しく、自分の見
方が間違っていた、ということで、相場の動きを良く見なかったことが自分の
思惑が外れてしまった要因なのです。そういったときも単に「はずれた」とい
うことではなく、思惑が外れてしまった今、自分が何をすべきかを常に考える
ことが大切なことなのです。相場に対する思惑を持つことが悪いことではなく、
逆に思惑を持たずに付和雷同的に売り買いしても決してうまく行くものではな
いのです。 


 我一分の了見にて、売り買い決して致す間敷くなり。三位の伝を表にし、立
羽を際め、売買の内、一方を立て抜くべし。

 「自分ひとりの考えだけで決して売買してはいけません。『三位の伝』を考
えて、相場を見極め、その上で方針を立てて売り買いするもので、その際にも
買いなら買い、売りなら売り、と徹底して行うべきです。」

 自分ひとりだけの思惑で流れに流されるように売買していると、どうしても
売り買いのタイミングが遅れがちになります。「売り・買い・休む」を考えて、
自分の方針を決めたらその通りに、余計なことを考えずに行動することが大切
なのです。何も考えないうちから人に流されないようにしたいものです。


 相場の流れを見極めた上で相場の方針を立てる、ということが大事で、投資
の方針を立てたからといって相場がその方針通りに動くものではないのです。
まずは自分が「何をなさなければならない」相場なのかと言うことを考えなが
ら、相場を見極めることから初めて見ましょう。



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